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訪問介護と施設介護の給料を数字で比べることはできます。ただし月給だけで判断すると、年収ではまったく別の結果になるケースもあります。この記事では、統計データから月給・賞与・労働時間・年齢構成の違いを確認し、比較するときの注意点をお伝えします。
比較する2つの職種区分
統計上、「訪問介護と施設介護」は以下の2つの職種区分として扱われています。
- 介護職員(医療・福祉施設等) — 老健・特養・グループホーム・有料老人ホーム等、施設で働く介護職。
- 訪問介護従事者 — 在宅で利用者宅を訪問する介護職。
※「介護職員(医療・福祉施設等)」「訪問介護従事者」は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種(特掲)分類における正式な区分名です(出典: 政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」、確認日: 2026年7月8日)。
注意として、これらの統計区分は施設介護と訪問介護のおおよその近似ですが、完全に一致するわけではありません。以降の数値は、「統計上の職種区分ごと」の比較であり、実際の個々の事業所ごとの給料差そのものではないことをご理解ください。
※統計上の職種(特掲)区分は、実際の施設介護・訪問介護の業態を厳密に定義したものではなく、近似的な分類です(出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(特掲)分類、確認日: 2026年7月8日)。
月給を比較する
まずは月給(きまって支給する現金給与額)の全国平均を見てみましょう。
| 職種 | 月給 |
|---|---|
| 訪問介護従事者 | 281,600円 |
| 介護職員(医療・福祉施設等) | 277,700円 |
| 差額 | +3,900円 |
※出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者)都道府県別第3表 職種(特掲)・産業計」(確認日: 2026年7月8日)。
ここまで見ると、訪問介護従事者のほうが月給が高いことがわかります。ただし、給料は月給だけでは判断できません。次に賞与(ボーナス)を見ます。
「きまって支給する現金給与額」という言葉の意味や、「所定内給与額」との違いについては、「きまって支給する現金給与額」とは何かを解説した記事で詳しく扱っています。
賞与を比較する
年間賞与の全国平均は以下の通りです。
| 職種 | 年間賞与 |
|---|---|
| 訪問介護従事者 | 439,700円 |
| 介護職員(医療・福祉施設等) | 547,800円 |
| 差額 | -108,100円 |
※出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者)都道府県別第3表 職種(特掲)・産業計」(確認日: 2026年7月8日)。
月給では訪問介護が高かったのに対し、賞与は施設介護(介護職員)のほうが大きく上回っています。
年収の目安を計算してみると(計算式: きまって支給×12 + 年間賞与)、以下のようになります。
| 職種 | 年収目安 |
|---|---|
| 訪問介護従事者 | 約382万円 |
| 介護職員(医療・福祉施設等) | 約388万円 |
※出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の月給・年間賞与データ(確認日: 2026年7月8日)にもとづく編集部試算(月給×12+年間賞与)。訪問介護従事者: 281,600円×12+439,700円=3,818,900円≒約382万円。介護職員(医療・福祉施設等): 277,700円×12+547,800円=3,880,200円≒約388万円。
月給だけで比較すると訪問介護が有利に見えますが、年収で見ると介護職員のほうがわずかに上回り、その差は約6万円です。給料を比較するときは、月給と年収の両方を確認することが大切です。
「年間賞与その他特別給与額」の詳しい定義や都道府県ごとの違いの見かたについては、介護職の賞与の全国平均を解説した記事で扱っています。
労働時間を比較する
所定内労働時間と超過労働時間も異なります。
| 職種 | 所定内実労働時間 | 超過実労働時間 |
|---|---|---|
| 訪問介護従事者 | 163時間 | 6時間 |
| 介護職員(医療・福祉施設等) | 162時間 | 4時間 |
※出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者)都道府県別第3表 職種(特掲)・産業計」(確認日: 2026年7月8日)。
両者の労働時間はほぼ同程度で、わずかな違いです。訪問介護は超過労働時間がやや長い傾向が見えます。ただし、労働時間の長さそのものが「良い」「悪い」ではなく、事業所や個人の働き方によって異なるため、ここではデータのみをお示しします。
年齢・勤続年数の違い
重要な注意として、この2つの職種は平均年齢と平均勤続年数が異なります。
| 項目 | 訪問介護従事者 | 介護職員(医療・福祉施設等) |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 51.2歳 | 45.3歳 |
| 平均勤続年数 | 8.8年 | 9年 |
※出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者)都道府県別第3表 職種(特掲)・産業計」(確認日: 2026年7月8日)。
訪問介護従事者は、平均して施設介護の職員より約6歳年上です。給料差を見る際は、この「異なる年齢・勤続構成の集団同士の比較」であることを認識することが重要です。同じ職種でも、年齢や勤続年数によって給料は大きく変わります。
この統計から言えないこと
給料差の「原因」について、統計からは読み取れない情報があります。
例えば、処遇改善加算の有無、夜勤手当、各種手当・加算の取得状況など、給料差につながる要因はいくつもあります。しかし、本統計(賃金構造基本統計調査)には、これらの内訳の詳細が含まれません。
※出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者)都道府県別第3表 職種(特掲)・産業計」(確認日: 2026年7月8日)。本統計の公表表(表3)は「きまって支給する現金給与額」「所定内給与額」「年間賞与その他特別給与額」の集計値のみで、手当・加算・夜勤等の内訳項目は含まれません。
そのため、「訪問介護と施設介護の給料がなぜ違うのか」という原因は、この統計からは説明できません。
また、訪問介護従事者のデータは、一部の都道府県では公表されていません。当サイトでは、統計値が公表されていない県については掲載していません。公表データの有無は県ページで確認できます。
※出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」にもとづく当サイトのデータ(data/kyuryo/salary-chingin-kouzou-r7.json)を確認したところ、徳島県の訪問介護従事者は月給・年間賞与等の全項目が非公表(値なし)でした(確認日: 2026年7月8日)。
都道府県別に見る
この記事では、全国の平均値のみをお示ししています。都道府県ごとのデータを確認したい場合は、給料データのハブページから各都道府県のページをご覧ください。
都道府県ページでは、介護職員(医療・福祉施設等)と訪問介護従事者の両職種のデータが掲載されています。お住まいの都道府県の詳細データは、そちらからご確認いただけます。
※出典: 当サイトの都道府県ページ(/kyuryo/pref/)の実装を確認したところ、介護職員(メインデータ)に加えて訪問介護従事者のデータも「参考」として掲載されています(確認日: 2026年7月8日)。
よくある質問
訪問介護と施設介護、給料はどちらが高いですか?
統計上の数値を比較することはできますが、月給と年収のどちらで見るかによって結果が変わりえます。この記事では両方の数値をお示ししています。また、実際の給料は事業所、地域、経験年数など個人の条件で大きく異なります。
どちらが「良い」「おすすめ」とは断定できません。両方のデータを確認したうえで、ご自身に合う職場環境や職業選択については、介護タイプ診断もあわせてご活用ください。
夜勤手当は含まれていますか?
このデータは「きまって支給する現金給与額」です。深夜勤務手当(夜勤手当)は、この統計の定義上「超過労働給与額」(時間外勤務手当・深夜勤務手当・休日出勤手当・宿日直手当・交替手当の合計)の一部として扱われ、「きまって支給する現金給与額」(所定内給与額+超過労働給与額)には含まれますが、「所定内給与額」には含まれません。ただし、本統計は手当の種類ごとの内訳金額を公表していないため、実際に何円分が夜勤手当に相当するかは、この統計からは確認できません。詳しくはハブページの定義説明を参照してください。
※出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」(確認日: 2026年7月8日)。
都道府県ごとの違いはどこで確認できますか?
この記事では都道府県別の数値は個別に掲載していません。給料データのハブページから、お住まいの都道府県のページをご確認ください。都道府県ページには、介護職員と訪問介護従事者の両方のデータが掲載されています。
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